10歳の年の差はどうやって埋めますか?
「佐野?」

私が黙ってしまい何かを考え込んでいることに、清水課長も気が付いているのだろう。

「とにかく時間がないから、仕事の話をしましょう。」

我に返った私の方から、話を元に戻した。

気が付くと、1時はとうに過ぎていた。

「清水課長、お腹空いた。」

「俺も。まさかここまで話が順調に進むとは思わなかったな。外へ出て、気分転換するか。」

私達は同じタイミングで伸びをする。

「そうだね。こないだのランチ、美味しかったね。」

「またおごれってことか。そういう所は抜かりがないな。」

そんな事を言いながらも、清水課長は付いて来いという仕草をする。

工務課へ戻ると、数人の監督と長谷川さんが話をしていた。

「今、私達お昼から戻って来たんです。清水課長も佐野課長補佐も全然戻ってこないから。」

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