10歳の年の差はどうやって埋めますか?
「私も仕事に行くけど、一人で大丈夫ね?」

私はベッドの中で、ゆっくりとうなずいた。

会社へ連絡すると、長谷川さんが出てくれた。

「佐野さん、大丈夫なんですか?清水課長から現場で倒れたって聞いてびっくりしました。今日はゆっくりお休みしてくださいね。私が出来る事はやっておきますから。」

「ははは、長谷川さんに頭が上がらなくなるわね。」

私は弱々しく笑った。

「ちょっと待ってくださいね。清水課長が代われっておっしゃってますので。」

しばらくすると、いつもの聞き慣れた声がする。

「佐野、具合はどうだ。」

清水課長は凄い勢いで話している。

「部下の体調管理も出来ないなんて、本当に情けないよ。佐野が頑張り過ぎていたのは分かっていたのに、休ませられなかった。俺が悪かった。」

私はそんな清水課長を気の毒に思う。

「清水君は悪くないわ。私が年も考えずに無茶をしてしまったから、私の責任よ。清水君は自分を責めないで。」

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