10歳の年の差はどうやって埋めますか?
「俺が佐野に一番仕事を助けられていたのかもしれない。甘え過ぎていたな。」

清水課長は済まなさそうに私に言った。

「私がちゃんと体調管理を出来ないのが一番悪いんです。今日からほどほどに仕事をしていきますんで、皆さんで助けて下さいね。」

そばにいた人達が私の言葉で笑ってくれた。

これでみんなが和んで、仕事が進んでくれるなら良い事だ。

結局この日は1時間だけ残業をして、工務課全員に追い出されるように会社を後にした。

清水課長から家に送っていくと言われたが、私は丁寧に断った。

総のアパートに寄るつもりだったからだ。

「あれっ?」

どうも総の部屋は電気がついていないようだった。

「まだ帰っていないのかな。やっぱり連絡をしてから来るべきだったかな。」

私はしばらくその周りをウロウロとしてみる。

1時間ほど経った後、私は体力的にも自信がなくて諦めて帰ろうとした。

< 132 / 169 >

この作品をシェア

pagetop