10歳の年の差はどうやって埋めますか?
私はうつむいて、顔に手を持っていく。

涙があふれてしまいそうだから。

「悠希?」

総が慌てて私に駆け寄り、そして私の顔を覗き込む。

私は顔を上げることが出来ない。

「悠希、どうしたの?」

総の手が私の肩に触れる。

「私、総に一番心配してもらいたかったの。やっと分かったの。」

私が顔を上げると、そこには総の笑顔があった。

「今思っている事を言ってよ、悠希。」

「10歳も年上だけど、総の横に居ても良い?」

「悠希、違うだろ。」

一瞬ムッとした表情を見せた総。

「もう今更変えられない事はどうでも良いんです。」

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