10歳の年の差はどうやって埋めますか?
いつものセリフを総は言った。

「総、好き。大好きだから、私から離れて行かないで。」

ふわっと大きな総の身体に私はすっぽり納まってしまった。

「俺は悠希をずっと好きだから。」

こないだの様子と違って、随分総に余裕を感じた。

「あの時はすごく動揺したけど、あの後じっくり考えた。あれだけ俺と付き合う事に躊躇していた悠希が、この前やっと言葉にしてくれた。」

総は私の頬に触れた。

「それを信じようって。だから今は我慢して、ちゃんと悠希が回復してから会いに行こうって思っていた。」

「総。私はちゃんと清水君にも言ったよ。総とお付き合いを始めたって。」

「そうか。今日も悠希の方から来てくれたし、こんなに嬉しい事はないよ。」

総は私に長いキスをした。

「総、風邪がうつっちゃう。」

私が我に返ってそう言うと、ニッコリと総が笑った。

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