10歳の年の差はどうやって埋めますか?
「へぇ~、大きな企業の傘下の老人ホームなら、次々と仕事が来るんじゃない?」

私はそう言った後、清水課長に視線を合わせた。

清水課長は怪訝そうな顔をしている。

「いつもよりワンテンポ反応がずれているぞ。何を考えていたんだ?」

「う~ん、ちょっとね…。」

あの時以来、私と清水課長の関係は良好だ。

それはもちろん仕事上で、それ以外の事はお互いに触れないようにしている。

「良いから何でも話してみろ。案外、頼りになるかもしれないぞ。」

「う~ん。」

それでも私はためらっていた。

「それを解決しないと仕事にも集中できないだろう。…年下くんの事か?」

いつもながら清水課長はズバッと核心を突いてくる。

私は顔が真っ赤になった。

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