10歳の年の差はどうやって埋めますか?
そして清水課長はニヤリと笑った。

「佐野は何も考えないで、そいつに任せればいい。歳なんて気にしないで、思いきり甘えたらいいんだ。頭で考えるからそうなるんだ。」

私の迷いをすべて取り払うかのような清水課長の言葉。

「でも俺が元気を取り戻したのは佐野のおかげだ。佐野の事を考えるだけで、何でも前向きに考えられた。その事については礼を言う。」

清水課長は真剣な顔つきをすると、私に頭を下げた、

「そんな…、私は清水課長に何もしてあげてないよ。」

「ううん、それが良かったんだ。これからは仕事のパートナーとしてよろしく頼む。」

清水課長は私に手を差し出す。

私もそれに反応して、二人でがっちりと握手をした。

「このまま引き寄せたいくらいだけどな。でも…。」

また清水課長はニヤリと笑った。

「もし年下くんとダメになったら、いつでも俺の所に来い。俺はいつも佐野のそばに居るから。」

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