10歳の年の差はどうやって埋めますか?
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私達はお互いが好きな特別展を開催している他県の美術館へ足を伸ばした。

久しぶりのリラックスした外出に、自然と顔がほころんでくる。

その距離から1泊するか迷ったが、遅くなっても帰って来ようということで話は決まった。

その事に何となくホッとしていながらも、少々複雑な思いも感じる。

清水課長に話した事は杞憂に終わったという事になる。

今のところは。

「素直に手をつないでくれるね。」

駅で出された総の手を私は拒まなかった。

「でも、私達恋人同士というより、姉弟ぐらいにしか見えないんじゃないかしら。」

私は思った事をすぐに口に出てしまった。

「姉弟ならこんな歳でもう手なんかつながないだろう。」

総は困ったように私を見下ろした。

「悠希は気にしすぎだよ。大丈夫、ちゃんと恋人同士に見えるよ。それとも…。」

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