10歳の年の差はどうやって埋めますか?
思わずきゅっと総の服を握った。

その手を総が視線で追いかける。

すると総はそのまま私を包みこんだ。

私の背中に総の手が回る。

「そっ、総?」

総は私の耳元で囁く。

「大丈夫、誰も見ていないよ。」

そしてそのまま私の頬に口づけした。

「悠希と久しぶりに長く一緒に居るからすごく嬉しい。」

「ごめんね。仕事が忙しくて。」

私は総の顔を伺う。

「それはちゃんと分かっているから。それにあの時以来、こうやって悠希はちゃんと時間を作ってくれるじゃないか。」

その事が本当に嬉しそうな総の顔。

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