10歳の年の差はどうやって埋めますか?
私は何かの拍子に目を覚ました。

何だか私の右側が重い。

私の右手は総の左手で繋がれている。

そして私に大きく寄りかかっている総。

私が右を向くと、その肩の上に総の頭がある。

どうも総も眠り込んでしまったようだ。

私は動けないため、そっと自分の頭で総の頭をこついてみる。

「う~ん…。」

ちょっと総は唸ったけれど、目は覚めないようだ。

「今日は本当に眠っちゃったんだね。」

うちで総が寝たふりをしていたことを思い出す。

こうして少しずつ、私達の思い出も増えてきている。

「もっと若くてかわいい子もいるのにね。どうして私なんだろうね…。」

私は10歳年下の恋人の気配を伺う。

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