10歳の年の差はどうやって埋めますか?
「寝過ごさなくて良かったね。」

私達は降りる準備をする。

その駅からは歩きで美術館に行けるようだ。

歩き始めると、総は口を開いた。

もちろんその前に手は繋がれている。

「悠希はさ、どうしたら信じてくれるの?」

ああ、変な事を言ってしまったな。

こういう時の総は問題が解決するまでしつこい。

これも最近分かって来た事。

実は私より総の方が面倒くさい人なのかもしれない。

「総みたいなイケメンで公務員の男性が、わざわざ条件の悪い女を選ばなくても良いって事。」

ちょっとヤケになって、私は口を滑らせてしまった。

「だから…。」

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