10歳の年の差はどうやって埋めますか?
総の事が怖いわけでもない。

もちろん、行為そのものが嫌なわけでもない。

でも…、何か大きな不安が襲ってくる。

「悠希、大丈夫か?」

総がドアをノックしている。

「うん、ちょっと落ち着くまで待って。」

するとドアの向こうで総が座り込んだ気配がした。

「なあ、悠希。俺は悠希に上手に近づけないのかな。」

総がしゃべり始めた。

「悠希が男心をうまく理解出来ないように、俺も女心が分かってないのかな。」

総はそこで溜息をついた。

「どうしてこんなに好きなのに、悠希に近づけないんだろう…。悠希、俺の何がダメなのか教えて。」

「ううん、総が悪いんじゃない。私がいつまでたってもぐずだから…。ごめんね。」

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