10歳の年の差はどうやって埋めますか?
私の中に電気が走ったような気がした。

「総…、総!」

私は気が付いたら、総に抱き着いて泣きじゃくっていた。

「悠希…、悠希…。」

総は私の頭を撫でながら、私を思いきり抱き締める。

「悠希には俺みたいな甘える相手が必要なんだよ。」

すると総は私の膝に手を回すと、すっと私を抱き上げた。

「今日は悠希を抱きしめて寝る。」

「でもシャワーも浴びてないから…。」

「良い。とにかく悠希に触れていたい。」

そして総は私をベッドに横たえた。

総は私に添い寝し、肘で自分の頭を支えた。

「こうやって悠希を眺めているだけで幸せだ。」

空いている手で私の頬を撫でる総。

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