10歳の年の差はどうやって埋めますか?
「お付き合いをして下さい!」

松田さんから飛び出した言葉に私は目を丸くする。

「まだお話をしたのも二回目だし、早過ぎませんか?」

私はまた別の美術館に一緒に行ってほしいとお願いするつもりだった。

「私の方はずっと前からあなたの事は知っていました。」

「美術館で見かけた程度でしょう?」

私は松田さんの勢いに圧倒されながら答える。

「あなたの勤め先は…そうですね、どこかの建設会社ですか?」

「そうですが、どうして?」

確かに私は建設会社の総務課で事務をしている。

「市役所に時々いらっしゃるでしょう?」

松田さんはニコニコと答える。

「はい。」

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