10歳の年の差はどうやって埋めますか?
初めて松田さんの可愛い所を見たような気がした。

「松田さん。」

私はそんな松田さんの頬に背のびしてキスした。

「これでおあいこでどうでしょう?」

目をまるくした松田さんの表情を私は一生忘れないだろう。

私に対して少し大人ぶっていた表情が崩れた瞬間だったからだ。

「大人の女性は簡単にこんな事をするんですか?付き合っても居ない男に…。」

松田さんは少し意地悪そうな表情を私に向けた。

「もうじらさないで、私とお付き合いを始めましょう。」

私はやっぱり壁を作ってしまう。

「今日初めて感じた事もあったから…。もう少し時間をください。」

私はぺこりと松田さんに頭を下げる。

私が松田さんに対して若さを嫌というほど感じたように、もしかすると何かをきっかけに松田さんの方が私に対して後悔することが出てくるかもしれない。

なんせ私の方が10歳も年上なのだから…。

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