10歳の年の差はどうやって埋めますか?
そんな風に自分は他の人に見えるんだ。

私はそんな事を意識した事がなかった。

「でも絵を見る悠希さんの姿とのギャップにやられてしまったんだから、それはそれで良いんですけどね。」

松田さんが私に気を遣ってくれているのをひしひし感じる。

制服姿で怖い顔をしていたら、本当にオバサンに見えちゃうんだろうな。

「また余計な事を考えていませんか?」

松田さんは私の顔をじっと見た。

「あんまり顔を見ないで下さい。」

私は松田さんの顔を見るたびに、情けなくなって来る。

「悠希さん。」

松田さんが静かに私の名前を呼んだ。

「私と居る事が楽しくないですか?」

私はうつむく。

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