10歳の年の差はどうやって埋めますか?
「そうじゃないんですけど…。」

私は更に情けなさを感じる。

「今日はこの辺で帰りましょうか。」

私はハッとして、松田さんを見た。

「私は悠希さんにそんな顔をさせたくないんです。市役所に来る怖い顔の方がマシです。」

「分かりました…。」

私は松田さんの言う事は最もだと思った。

私の表情ごときで、松田さんにも不愉快な思いをさせてしまうくらいなら…。

だから素直に松田さんの言葉にうなずいた。

「では、ここで。」

私は松田さんに背を向けて、歩き出した。

しょうがないよね…。

勝手に自分の世界に入っちゃって、松田さんに嫌な思いをさせてしまったな。

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