10歳の年の差はどうやって埋めますか?
「どうして私に食ってかかってくれないんですか?悠希さんの本音が聞きたいのに。」

あっ…。

「わざとけしかけたんですか?」

私はドキドキして、前を向いたままつぶやいた。

「まさか、本当に帰ろうとしてしまうなんて…。」

松田さんの声は切羽詰っている。

「すいませんでした。」

そして勢いのまま、私は松田さんの方へ身体の向きを変えられた。

正面に松田さんの胸が見える。

松田さんは私の頭を自分の胸に抑えつける。

「まだ帰しません。」

松田さんの心臓の音がまともに聞こえる。

私は動く事も出来ず…、でも抵抗するつもりもなくて…。

どのくらいの時間が経ったのだろう。

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