10歳の年の差はどうやって埋めますか?
「それは悠希さんが勝手に決めただけでしょう?」

松田さんの勢いが増してきたような気がする。

「良いですから!正直になって下さい、悠希さん。」

「えっ…?」

私は松田さんの真っ赤になった必死な顔を見上げた。

「美術館であんな特別な時間を共有している私達が、相手に対して同じように好意を持っていると考えてしまうのは当然でしょう。」

「あっ…。」

やられた…、正直にそう思った。

「悠希さんのそんな面倒くさい所もちゃんと引き受けますから。」

松田さんは我に返ったように、ふんわりとした笑顔を私に向けた。

「おとなしく私の彼女になって下さい。そのままの…、10歳年上の悠希さんが良いんです!」

松田さんはありったけの気持ちを私にぶつけてきた。

「全く…、大人の女性なのに私にここまで言わせるんですか。」

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