10歳の年の差はどうやって埋めますか?
私は自虐的に笑う。

「佐野こそ、どうして今まで一人なのか俺には不思議だ。」

「どうしてなんだろうね~。別に拒んできたわけでもないんだけどね。」

私は笑うしかない。

「やっぱりそれだけ仕事が出来ると、男も手を出しにくくなるのかもしれないな。」

「そうかな。そんなに仕事に命を懸けているつもりはないんだけどな。」

やっぱり私は笑うしかない。

「まあ、佐野は男前だからな。」

清水君は立ち上がった。

「何だか嬉しくないかも。」

私も立ち上がった。

社用車で現場に向かう。

今日は二階建ての新築アパート。

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