10歳の年の差はどうやって埋めますか？
ちょっと焦ったような声を出す松田さん。

「そんな…、連絡でもくれれば…。」

「どんなにラインを送っても返信しないのは誰ですか？仕事中に電話を掛けるほど非常識でもありません。」

ついに松田さんは大きな声を上げると、立ち止まった。

「あの男の人とはどんな関係なんですか？」

私は前を見たままの松田さんの後姿を眺める。

「えっと…、会社の同期です。」

私がそう答えると、松田さんはくるりと私の方を振り返った。

「そんな事を聞いているんじゃありません。悠希さんはあの人の事をどう思っているんですか？」

少し怖い顔をした松田さんは私の顔を見つめた。

「私がアパートであの人を睨みつけたら、余裕の表情をして鼻で笑われました。嫌というほど、自分の青さを感じました。」

あんな短い時間でそんな事があった事にも気が付かなかった。

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