10歳の年の差はどうやって埋めますか?
松田さんは申し訳なさそうに私に謝った。

「そうね、あんな松田さんを初めて見たかも。いつもきちんとしているから、少しびっくりした。」

私はニッコリ笑って答えた。

「あ~あ、悠希さんのお母さんの第一印象、凄く悪いだろうな。」

松田さんは頭を掻いている。

「そんなに気にしなくても大丈夫よ。私がちゃんと言っておくから。」

私は松田さんのそんな姿が初々しく映った。

「また連絡します。そしてお母さんにお詫びに伺います。」

「大丈夫だから。」

私はくすくす笑う。

「悠希さん。」

松田さんは私にキスをした。

「おはようのキスです。昨日のお休みのキスは…、とっても嬉しかったです。」

松田さんは照れくさかったのか、くるっと前を向くと、手で私に合図をしながら歩いて行った。

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