10歳の年の差はどうやって埋めますか?
とても驚いたように、長谷川さんは言った。

「工務課は男の人ばかりだから、大事にしてもらえますかね?」

長谷川さんの発想は若者らしい。

「いやいや、こき使われるだけかもしれないよ。」

私は長谷川さんの事を見る。

確か今年27歳になるんだったかな。

最近、仕事にも意欲が出て来て、安心して仕事も任せられるようになって来た。

私と違って、確かに監督さん達にちやほやされそう。

「ところで…。」

長谷川さんはさっきの清水君のように、私に近づいた。

「清水さんと何かあったんですか?」

そして長谷川さんはニッコリ笑う。

「何か清水さん、佐野さんに興味津々の顔をしていましたよ。」

若い子はこういう事に敏感なようだ。

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