10歳の年の差はどうやって埋めますか?
「佐野さんを落とすって事は狙っているってことですよね?でも…、清水さんって結婚していましたよね?」

何だか妙にわくわくしている長谷川さん。

「はいはい、そんな事しゃべってないで仕事に戻りなさい。」

私は厄介払いをするように、長谷川さんに声を掛ける。

「はい。」

まだ私に何かを聞きたい様な素振りを見せながら、長谷川さんは自分のデスクに向かおうとした。

私がホッとした瞬間、長谷川さんはこちらを振りかえった。

「市役所の彼も佐野さんの事を好きなんでしょう?大人の女性ってモテるんですね。」

そして長谷川さんは可愛く舌を出した。

「長谷川さん!集中して仕事しなさい。」

「は~い。」

長谷川さんには、これからいろいろと突っ込まれそうだな。

うん、ちょっと面倒くさいな。

< 92 / 169 >

この作品をシェア

pagetop