10歳の年の差はどうやって埋めますか?
思っているより、事は早く進みそうだ。

「佐野君、異動の内示が出ている。」

多くの女性で占められている総務課を統括している部長はとても穏やかな人だ。

「はい。」

「工務課の清水からのたっての願いで、君と長谷川君を工務課へ異動させることになった。」

「はい。」

私は一瞬目をつぶる。

「君を清水の下に置いて、課長補佐という役職を与える。二人で工務課を回していってほしい。来月からよろしく頼む。」

思っていたよりも早急で重責でもあるようだ。

「そこでだ。」

部長はこれからが本題であるかのように言った。

これ以上何があるんだろう。

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