イジワル上司にまるごと愛されてます
「それじゃ、注文しようか」
部長の言葉を聞いて、来海を案内した店員がハンディ端末を準備する。
「お伺いします」
「まずは日本酒と、枝豆、刺身の盛り合わせ……」
部長が食べたいものを次々に注文していき、最後に部下を見回した。
「キミたち、ドリンクはどうする?」
「俺も日本酒で」
「私はカシスオレンジを」
柊哉と敦子に続いて、来海は日本酒を使った“カシス娘”というカクテルを注文した。
「少々お待ちください」
店員が一礼して戸襖を閉めた。四人だけになって、部長がおもむろに口を開く。
「今日こうして急に集まってもらったのはね、輸入企画部の雰囲気をもう少しよくしたいと思ったからなんだよ」
部長は来海と敦子を見ながら話を続ける。
「互いをライバルだと思って切磋琢磨するのはいいだろう。けれど、主任同士がぎくしゃくしていては、部下にも影響が出るとは思わないかい?」
今日の昼前のやりとりのことを言っているのだ、とわかった。来海は唇を引き結び、隣で敦子は視線をこたつ机に落とした。
部長の言葉を聞いて、来海を案内した店員がハンディ端末を準備する。
「お伺いします」
「まずは日本酒と、枝豆、刺身の盛り合わせ……」
部長が食べたいものを次々に注文していき、最後に部下を見回した。
「キミたち、ドリンクはどうする?」
「俺も日本酒で」
「私はカシスオレンジを」
柊哉と敦子に続いて、来海は日本酒を使った“カシス娘”というカクテルを注文した。
「少々お待ちください」
店員が一礼して戸襖を閉めた。四人だけになって、部長がおもむろに口を開く。
「今日こうして急に集まってもらったのはね、輸入企画部の雰囲気をもう少しよくしたいと思ったからなんだよ」
部長は来海と敦子を見ながら話を続ける。
「互いをライバルだと思って切磋琢磨するのはいいだろう。けれど、主任同士がぎくしゃくしていては、部下にも影響が出るとは思わないかい?」
今日の昼前のやりとりのことを言っているのだ、とわかった。来海は唇を引き結び、隣で敦子は視線をこたつ机に落とした。