イジワル上司にまるごと愛されてます
「もう遅い。俺を煽ったんだから覚悟して」
「煽ってなんかっ」

 来海は抗議の声を上げたとたん、柊哉にふわりと抱き上げられた。そうして壁際のベッドに運ばれ、ゆっくりと下ろされた。両手をシーツに縫いつけられ、唇をキスで塞がれる。そのキスは今までで一番優しくて甘くて……けれど、すぐに熱を帯びる。

「四年分、来海を味わいたい」

 そう言った柊哉の声はとろけそうに熱くて、来海はただもう彼の熱情に身を委ねるしかなかった。
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