イジワル上司にまるごと愛されてます
「それは……柊哉のせいじゃないよ。仕事が忙しかったから」
「でも、来海は入社したとき、三十歳になるまでには結婚したいって言ってたでしょ」
「それは、まあ、一応」
正直、柊哉に振られてからはもう忘れていたのだが。
「来海の誕生日の十月まで、もう四ヵ月ちょっとしかないのに」
「それはそうだけど……」
来海は口の中でもごもごと答えた。
入社直後の研修で、ワークライフプランを立てるようにと言われたから、なんとなく三十歳までに、と考えただけだ。
「ね、もう一度アタックしてみるっていうのはどう?」
「えっ」
来海は驚いて声を上げた。
「だって、来海と雪谷くんって、ものすごく仲良かったじゃない。付き合うのも時間の問題だと思ってた。四年前、雪谷くんが来海を振ったのだって、実は、八年間も帰ってこられないからだったって考えられないかな?」
茉那は、柊哉が来海を振ったのは八年も待たせることができなかったからだ、と思っているようだ。
「でも、来海は入社したとき、三十歳になるまでには結婚したいって言ってたでしょ」
「それは、まあ、一応」
正直、柊哉に振られてからはもう忘れていたのだが。
「来海の誕生日の十月まで、もう四ヵ月ちょっとしかないのに」
「それはそうだけど……」
来海は口の中でもごもごと答えた。
入社直後の研修で、ワークライフプランを立てるようにと言われたから、なんとなく三十歳までに、と考えただけだ。
「ね、もう一度アタックしてみるっていうのはどう?」
「えっ」
来海は驚いて声を上げた。
「だって、来海と雪谷くんって、ものすごく仲良かったじゃない。付き合うのも時間の問題だと思ってた。四年前、雪谷くんが来海を振ったのだって、実は、八年間も帰ってこられないからだったって考えられないかな?」
茉那は、柊哉が来海を振ったのは八年も待たせることができなかったからだ、と思っているようだ。