イジワル上司にまるごと愛されてます
「転勤の辞令だった」
「えっ、転勤!?」
「それも遠くへのね」
「遠くって……北海道とか沖縄とか?」
「もっと遠い」
柊哉が息を吐き、来海は不安そうな表情になる。
「……シンガポール支社?」
「いや、イギリスだ」
「えっ、イギリスに支社なんてないじゃない」
柊哉は日本酒を一口飲んだ。
「ああ。ロンドンにイギリス支社を立ち上げるんだそうだ。ヨーロッパとの取引が円滑になるように」
「え、あ、そうなんだ……。確かにロンドンは遠いよね。でも、柊哉は、海外支社で活躍したいってワークライフプランを立ててなかった?」
「そうだな」
「それが叶うんだから……喜んでいいんじゃないの?」
来海の視線を感じたが、彼女を見ることはできなかった。柊哉は日本酒のグラスを両手で握って見つめる。
「最低八年は向こうに駐在しろって言われた」
「えっ。八年……」
来海の声が途切れた。
「えっ、転勤!?」
「それも遠くへのね」
「遠くって……北海道とか沖縄とか?」
「もっと遠い」
柊哉が息を吐き、来海は不安そうな表情になる。
「……シンガポール支社?」
「いや、イギリスだ」
「えっ、イギリスに支社なんてないじゃない」
柊哉は日本酒を一口飲んだ。
「ああ。ロンドンにイギリス支社を立ち上げるんだそうだ。ヨーロッパとの取引が円滑になるように」
「え、あ、そうなんだ……。確かにロンドンは遠いよね。でも、柊哉は、海外支社で活躍したいってワークライフプランを立ててなかった?」
「そうだな」
「それが叶うんだから……喜んでいいんじゃないの?」
来海の視線を感じたが、彼女を見ることはできなかった。柊哉は日本酒のグラスを両手で握って見つめる。
「最低八年は向こうに駐在しろって言われた」
「えっ。八年……」
来海の声が途切れた。