イジワル上司にまるごと愛されてます
八年が彼女にとっても長いということが、その力のない声でわかった。八年後には、柊哉も来海も三十三歳か三十四歳になっている。
「俺と一緒に貿易管理部と総合販売部からも一人ずつ現地に行く。一から支社を設立するのって、大変だけどすごくやりがいのある仕事だと思う。俺に声をかけてくれるってことは、信頼されているってことだし、すごく嬉しい」
「そ、うだよね。よかった」
来海が笑みを作った。
「うん、そうだな。部長にも『ワークライフプラン通りになってよかった』って言われた」
柊哉は来海を見た。
「来海は?」
「えっ」
「来海はワークライフプラン通りに進んでる?」
来海は視線を手の中のグラスに落とした。
「えー……私のワークライフプランでは昇進は三十歳の予定なんだよね……。二十九歳で結婚して、それから昇進する計画……だった」
「そうだったな。それから出産するって研修のグループ発表で言ってたっけ」
研修で照れながら発表する来海の様子を思い出しながら、柊哉は言った。
「俺と一緒に貿易管理部と総合販売部からも一人ずつ現地に行く。一から支社を設立するのって、大変だけどすごくやりがいのある仕事だと思う。俺に声をかけてくれるってことは、信頼されているってことだし、すごく嬉しい」
「そ、うだよね。よかった」
来海が笑みを作った。
「うん、そうだな。部長にも『ワークライフプラン通りになってよかった』って言われた」
柊哉は来海を見た。
「来海は?」
「えっ」
「来海はワークライフプラン通りに進んでる?」
来海は視線を手の中のグラスに落とした。
「えー……私のワークライフプランでは昇進は三十歳の予定なんだよね……。二十九歳で結婚して、それから昇進する計画……だった」
「そうだったな。それから出産するって研修のグループ発表で言ってたっけ」
研修で照れながら発表する来海の様子を思い出しながら、柊哉は言った。