イジワル上司にまるごと愛されてます
「うん、バリバリ働くお母さんってかっこいいなって思って。そういえば、柊哉のワークライフプランに結婚って入ってなかった……よね?」
来海の言う通りだった。そのときの柊哉は、大学卒業後に地元に帰る選択をした恋人と別れたばかりで、恋も結婚も考えたいとは思えなかった。
『ずっと一緒にいようね』
口癖のようにそう言っていた彼女は、大阪の小企業と地元の大企業から内定をもらっていた。そして柊哉のいる大阪に残って小企業に就職することよりも、Uターンして大企業で働くことを選んだ。その二社の規模や業績にあまりにも差がありすぎたから、彼女を責めることはできなかった。そして柊哉も、優先すべきは恋でも結婚でもなく、仕事だと思ったのだ。
けれど、今の気持ちはそのときとは違う。
(もし、来海が俺に友達以上の気持ちを持ってくれていたら……)
柊哉が来海を見ると、彼女は淡く微笑んだ。
「私たちって……ずいぶん違うワークライフプランを立てたんだね」
「そうだな」
柊哉がグラスに口をつけ、二人の間に居心地の悪い沈黙が落ちた。それを来海が破る。
来海の言う通りだった。そのときの柊哉は、大学卒業後に地元に帰る選択をした恋人と別れたばかりで、恋も結婚も考えたいとは思えなかった。
『ずっと一緒にいようね』
口癖のようにそう言っていた彼女は、大阪の小企業と地元の大企業から内定をもらっていた。そして柊哉のいる大阪に残って小企業に就職することよりも、Uターンして大企業で働くことを選んだ。その二社の規模や業績にあまりにも差がありすぎたから、彼女を責めることはできなかった。そして柊哉も、優先すべきは恋でも結婚でもなく、仕事だと思ったのだ。
けれど、今の気持ちはそのときとは違う。
(もし、来海が俺に友達以上の気持ちを持ってくれていたら……)
柊哉が来海を見ると、彼女は淡く微笑んだ。
「私たちって……ずいぶん違うワークライフプランを立てたんだね」
「そうだな」
柊哉がグラスに口をつけ、二人の間に居心地の悪い沈黙が落ちた。それを来海が破る。