イジワル上司にまるごと愛されてます
番外編二
フィーカに入社した新入社員計二十八名は、入社式の翌日から、フィーカが所有する海辺の宿泊施設で一週間の研修を受けた。
金曜日に研修が終わり、翌土曜日はそれぞれ帰宅の準備を進めた。そしてその夜、誰が言い出したのか、みんなでお別れバーベキューをしよう、ということになった。宿泊施設は目の前が砂浜になっている。低価格で利用できるため、夏期には社員が家族で泊まりに来るだけあって、バーベキューの設備も整っていた。
「私、一人暮らしだからいつも自炊してるの」
「こう見えて料理は得意なのよ」
女子力の高さをアピールするように、お一人さま女子たちは争うように包丁を握って下準備にいそしんでいたが、バーベキューが終わって季節外れの肝試しをしようということになったとたん、そのペア決めに夢中になった。
男子社員も女子社員もお目当ての相手とペアを組もうと熱く盛り上がっている。その様子を、柊哉はテラスの白いチェアに座って冷めた目で見ていた。大学時代に付き合っていた彼女が就職と同時にUターンして地元に帰り、別れたばかりだった柊哉は、まだその中に混じる気になれなかったのだ。
金曜日に研修が終わり、翌土曜日はそれぞれ帰宅の準備を進めた。そしてその夜、誰が言い出したのか、みんなでお別れバーベキューをしよう、ということになった。宿泊施設は目の前が砂浜になっている。低価格で利用できるため、夏期には社員が家族で泊まりに来るだけあって、バーベキューの設備も整っていた。
「私、一人暮らしだからいつも自炊してるの」
「こう見えて料理は得意なのよ」
女子力の高さをアピールするように、お一人さま女子たちは争うように包丁を握って下準備にいそしんでいたが、バーベキューが終わって季節外れの肝試しをしようということになったとたん、そのペア決めに夢中になった。
男子社員も女子社員もお目当ての相手とペアを組もうと熱く盛り上がっている。その様子を、柊哉はテラスの白いチェアに座って冷めた目で見ていた。大学時代に付き合っていた彼女が就職と同時にUターンして地元に帰り、別れたばかりだった柊哉は、まだその中に混じる気になれなかったのだ。