イジワル上司にまるごと愛されてます
 柊哉は指輪をつまんで取り上げ、箱をポケットに戻した。そうして来海の左手を取って、薬指に指輪をはめる。シンプルなストレートラインのプラチナリングが、ダイヤモンドの輝きをこの上なく引き立てている。

「どうしよう……幸せすぎてどうにかなっちゃいそう」

 指輪を見つめる来海の視界が、嬉し涙でにじんだ。

「俺もどうにかなっちゃいそうだよ」

 柊哉がいたずらっぽく笑って両手を広げ、来海は彼に飛びついてその首に両手を絡めた。感謝の気持ちと、好きの気持ちを込めて、ギュウッとしがみつく。

「これからもよろしくお願いします」
「こちらこそ」

 来海の背中に柊哉の手が回され、ギュッと抱きしめられる。その力強さに彼の想いの深さを感じて、来海は彼の頬に自分の頬を寄せた。目の前に見える左手の薬指には、さっき見た夜景よりもずっとまばゆい輝きがあった。


【END】
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