イジワル上司にまるごと愛されてます
第三章 まだ友達に戻れない
結局それから柊哉とは気まずいままだった。
柊哉がロンドンに発つ前に開いた同期との送別会の帰り、来海のぎこちない態度を不審に思った茉那に問い詰められ、来海は柊哉に振られたことを話した。茉那の前で散々泣いたあと、五人の同期の友情を壊したくなくて、柊哉にメッセージを送った。
『この前のことは、酔っててあまりよく覚えてない。迷惑をかけてたら、ごめん。せっかく一緒に就職した同期なんだから、どうかこれまでと同じように、友達でいてほしい』
『わかった。お互い自分のいるべき場所でがんばろう』
それが柊哉からの返信で、それ以来もう四年もメッセージのやりとりはしていない。読み直したことはないけれど、柊哉に送り、彼から送られた最後のメッセージは、一言一句違えず覚えていた。
(私がお願いした通り、柊哉はこれまで通り友達として、普通に振る舞おうとしてくれたんだよね……。それなのに私がよそよそしい態度だったから、柊哉が気を悪くしても無理ないか……)
自動販売機コーナーでのやりとりを思い出し、来海はため息をついた。
いつの間にか目に涙がたまっていて、指先で拭う。
柊哉がロンドンに発つ前に開いた同期との送別会の帰り、来海のぎこちない態度を不審に思った茉那に問い詰められ、来海は柊哉に振られたことを話した。茉那の前で散々泣いたあと、五人の同期の友情を壊したくなくて、柊哉にメッセージを送った。
『この前のことは、酔っててあまりよく覚えてない。迷惑をかけてたら、ごめん。せっかく一緒に就職した同期なんだから、どうかこれまでと同じように、友達でいてほしい』
『わかった。お互い自分のいるべき場所でがんばろう』
それが柊哉からの返信で、それ以来もう四年もメッセージのやりとりはしていない。読み直したことはないけれど、柊哉に送り、彼から送られた最後のメッセージは、一言一句違えず覚えていた。
(私がお願いした通り、柊哉はこれまで通り友達として、普通に振る舞おうとしてくれたんだよね……。それなのに私がよそよそしい態度だったから、柊哉が気を悪くしても無理ないか……)
自動販売機コーナーでのやりとりを思い出し、来海はため息をついた。
いつの間にか目に涙がたまっていて、指先で拭う。