イジワル上司にまるごと愛されてます
柊哉が彼女を見つけて、軽く右手を挙げた。黒のスキニーパンツと白のカジュアルシャツを着て、ラインのキレイなネイビーのジャケットを羽織っている。開いた襟元から、レザーで吊したキーリングデザインのシルバーのネックレスが覗いていて、おしゃれだ。
「こんにちは」
来海は軽く右手を振った。
「ん」
柊哉は歩いてきて、来海の隣に立った。二人ともそのまま無言で、道行く人を眺める。日曜の午後だけあって、カップルや家族連れが多い。周囲はざわめいているのに、二人の間だけ沈黙が流れていて、なんとなく気まずい。
無理矢理話題を探し出して、来海は口を開く。
「そ、そういえば、金曜日、二次会に間に合ったの?」
「ああ。行ったら始まったばかりだった。メンバーも半分くらいに減ってたよ」
「そうなんだ。木下主任はいたんだよね?」
「……気になる?」
柊哉に訊かれて、来海は慌てて否定する。
「まさか! ぜんぜん気にならない」
「ああ、そう。主任、すっかり出来上がっててさ。まいったよ。ああいう女性を“肉食女子”って言うんだろうな。ホントびっくりだ」
「びっくりって……なにかされたの?」
「こんにちは」
来海は軽く右手を振った。
「ん」
柊哉は歩いてきて、来海の隣に立った。二人ともそのまま無言で、道行く人を眺める。日曜の午後だけあって、カップルや家族連れが多い。周囲はざわめいているのに、二人の間だけ沈黙が流れていて、なんとなく気まずい。
無理矢理話題を探し出して、来海は口を開く。
「そ、そういえば、金曜日、二次会に間に合ったの?」
「ああ。行ったら始まったばかりだった。メンバーも半分くらいに減ってたよ」
「そうなんだ。木下主任はいたんだよね?」
「……気になる?」
柊哉に訊かれて、来海は慌てて否定する。
「まさか! ぜんぜん気にならない」
「ああ、そう。主任、すっかり出来上がっててさ。まいったよ。ああいう女性を“肉食女子”って言うんだろうな。ホントびっくりだ」
「びっくりって……なにかされたの?」