イジワル上司にまるごと愛されてます
「従姉に赤ちゃんが生まれたとき、このブランドの洋服をもらってすごく喜んでたの。デザインもすごくかわいいんだけど、品質もいいんだって」
「そうなんだ」

 今度は来海が柊哉の手を引っ張って、店へと案内した。新生児の服からソックス、スタイまで、たくさんの商品が並んでいる。

「オーガニックコットンとかよさそうだよね」

 来海は柊哉の手を離して、スタイのコーナーの一角に向かった。オーガニックコットンの商品が特集されていて、上品で柔らかな色合いが飽きがこなさそうだ。

「そうだな。ほかにも、少し大きくなったときに子どもが喜びそうな、自動車とか電車の柄のもよさそうだ」

 柊哉が隣に並んで、ポップな色合いのスタイを示した。消防車やパトカーなど、男の子の好きそうな働く車がたくさんプリントされたスタイに、“男の子にオススメ!”というポップが貼られている。

「あ、いいかも」
「いくつかセットにしてもらおうか」
「それいいね。茉那も『何枚あっても困らない』って言ってたしね。あっ、ねえ、あれかわいい!」
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