双子社長のギャップ萌え。(大幅に加筆修正済み)

仕事も秘密のこともある。
何だか大変なところに就職したなぁと改めて思った。

トボトボと廊下を歩いていると
誰かが私に声をかけてきた。

「あれ?萌ちゃんだよね?」

えっ?

振り返るとお母さんの主治医である
辻先生だった。

「辻先生……こんにちは。
この度は、母がお世話になっております」

慌てて頭を下げた。

「いえいえ。早めに入院が出来て良かった。
自宅で療養するには、少し困難な症状だったから」

「お恥ずかしながら……すみません」

我が家にお金がないからお母さんは、
入院するのを拒んだ。

我慢させるなんて娘として情けない限りだわ。

「フフッ……今は、安定しているし
十分な栄養をとれているから心配いらないよ」

辻先生がそう言ってくれた。

< 176 / 373 >

この作品をシェア

pagetop