双子社長のギャップ萌え。(大幅に加筆修正済み)

私のお母様は、身体の弱い人だったの。

それでも私達を平等に可愛がってくれたわ。
特に響夜と朔夜が産まれた頃は、本当に幸せだった。

朔夜は、昔から響夜には、意地悪だったけど
大人しい子だったのよ?

いつもお母様のそばに居て…身体を気遣っていた。

『朔夜も響夜と響華と一緒に遊んでいらっしゃい』

『ううん。僕は、母様と一緒に居る』

『あらあら。朔夜は、甘え坊さんね。
ならお母さんと一緒に行きましょう。ね?』

優しく笑うお母様の姿。

ずっとこんな日が続くとそう思っていた。
でも、そんな日は、長く続かなかった。

お母様が体調を崩して
そのまま帰らぬ人になってしまったの。

悲しむ私達だったけど1番悲しんでいたのは、
朔夜だったわ。

なんせ苦しむ所をずっと
目の前で見ていたんだもの。

一番愛してくれた人を目の前で亡くなる辛さ。
そばに居てくれると思って信じていたから
幼いあの子にとったら絶望的だったでしょうね。

でも、それ以上にあの子を苦しめる事件が起きた。

ううん。あの子を変わる
きっかけを作ってしまった。

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