双子社長のギャップ萌え。(大幅に加筆修正済み)

その家政婦は、逃げて行った後で私が
帰って来たのだけど……その光景は、異状だったわ。

朔夜は、身体を震わせて怯えていた。
よほどの恐怖を味わったのね。

その光景は、機械ものが強い朔夜が
隠しカメラを仕込んでいたから、それを証拠に
香月財閥の力を使いその事件を握り潰したわ。

もちろん家政婦を解雇した。

響夜は、眠っていて状況を知らなかったから幸いして
お金や金属を盗んでいる所を朔夜が目撃して
トラブルになったと言い聞かしてあるわ。 

ただ朔夜だけは……大きな傷として
後遺症を残してしまった。
人の触った食べ物や飲み物に対して恐怖を
覚えてしまって一切口をつけれなくなったのよ。

人を丸っきり信じらなくなって
自分自身を自虐する言動が多くなった。

私の作ったのも食べないし
お父様は、仕事でほとんどいらっしゃらないから
困り果てていたら、どうしてか
見かねた響夜が作ったおにぎりだけは、
口に入れたの。

双子だからなのかしらね?それ以来
朔夜の分は、響夜が作るようになったわ。

市販の物も少しずつなら食べられるようになったけど
手作りだけは、どうしても
受け付けられないみたいね。

朔夜にとったら響夜は、
唯一の心を許せる人物なのよ。

まぁ、どうして意地悪するのかは、分からないけど
ただ絶対にあの事件の事は、隠し通そうとする。

あの子なりに……響夜を守ろうとしているのかも
知れないわね。

自分を傷つけてまで……。

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