双子社長のギャップ萌え。(大幅に加筆修正済み)

「お前……何故それを知っている……?」

社長は、手を離すと悲しそうな表情をする。
私も驚きを隠せないでいた。

何故、隠していた事実を
社長が知っているのだろうか?

それに対して酷く動揺する副社長。

「ち、違う。お前は、何もされていない。
あれは、お前ではなく俺がされたんだ!!」

しかし社長は、ニコッと微笑んだ。

「隠さなくていい。俺は、平気だから」

社長……?

私も副社長も驚いていた。

「確かにあの時は、ショックだった。
だけどフッと思った。親父や姉貴が俺のために
隠し通そうとしてくれたこと。
1番怖かったはずのお前が必死になって立ち向かって
助けてくれたこと。
それを蔑ろに出来ないと……」

「だから俺は、あえて知らないふりをした。
俺がそこで取り乱したらお前が、さらに傷つくから
だから……知らないふりをし続けていた」

悲しそうな表情で話してくれた。

私は、それを聞いて涙が溢れてきた。

結局は、お互いに相手を傷つけないように
本心を隠していたんだ。
守るために……。

< 363 / 373 >

この作品をシェア

pagetop