晴空のようなあなたに恋をした
こんなに暗いのに…。
私は佐野くんの顔を見てないのに、
振り返ってないのに…、
私の顔なんか見えるはずないのに、
見えるとしたら後ろ姿しか見えないはずなのに、
こんな中、私が女だとすぐ気づいた。
それは、それほど女が嫌いだと証明してるようで…、
「うん。私、女だよ」
そう言って私は振り向いた。
カーテンの隙間から、一瞬光が少し漏れて、
めちゃくちゃ綺麗な顔の少年がすごく怯えた表情で立っていた。