晴空のようなあなたに恋をした
「乗り越えない方が、心を閉ざしたままの方が、そりゃあ楽だよ。でも乗り越えたら佐野くんがずっーと、抱えてる心のモヤモヤが晴れるけどね?」
そう言って、そっと佐野くんを見た。
さっきまで、怯えさせないように部屋の中にある変な置物を見てたからね!
「は…?」
その声は震えてなかったけど、かすれていた。
「あ!まだ私自己紹介してなかったね!!
私は、今日から豪呵の弟子になった藤堂音羽!」
「え、弟子…」
暗くてあんまり表情は見えない。
「うん!弟子だからなんでも言ってね?」
「…言うかよ。こんな生意気な女に」
ボソッと言ってたけど、すっごく小さい声だったけど私にはちゃんと聞こえた。