晴空のようなあなたに恋をした
『乗り越えない方が、心を閉ざしたままの方が、そりゃあ楽だよ。でも乗り越えたら佐野くんがずっーと、抱えてる心のモヤモヤが晴れるけどね?』
音…すげーな。
俺らが長年言えなかったことをスラスラ言ってる。
耀が求めてるであろう言葉をかけてる。
「すげーな…あいつ」
ボソッと言った晴。
晴が褒めてたって知ったら音、なんて言うかな?
喜びまくって調子乗るな多分…。
すぐ目に浮かぶわ。
そう思って思わず苦笑いをこぼした。
『は…?』
この電話から初めて聞く耀の声は、かすれていた。
さっきからずっと音が喋ってたからなー。