蜜月オフィス~過保護な秘書室長に甘やかされてます~
きょとんとしてしまった私を見て、彼がまた笑った。
「花澄さんは倉渕物産の花です……でも今だけは、その素敵な笑顔を俺に独占させてください」
涙を拭っていた指先が私の顎を軽く引き上げた。見つめ合う距離がまた少しずつ狭まっていく。
「こんなにも愛しています」
唇が重なり合う。
繰り返される口づけは、思いの強さを伝えるように徐々に深くなっていく。
普段の彼からは想像もつかないほど情熱的なキスに身体が熱くなっていく。
とろけてしまいそうなくらい甘くて、止められないくらい気持ちよくて、涙がこぼれ落ちるほど優しかった。
「私も佳一郎さんが好きです。これからも私の傍にいてください」
「喜んで」
佳一郎さんがいてくれて良かった。
溢れ出すこの愛しさを私もちゃんと伝えたくて、彼の背中へと手を伸ばし、自分の身体を預けるようにぎゅっと抱きついたのだった。