視線 ~人生が変わる瞬間~
「待って待って、それ詳しく教えなさい」
私と優希は舞子の腕を引っ張ってじゃれあった。
その時だった。
「遅れてすいませーん」
ダルそうな低い声と重なって、ドアの開閉音。
「…遅いです」
先生が呆れたようにため息をつきながらそう言った。
「寝坊しました」
声の主が手で口を押さえてあくびをする。
私は驚いた。
夜更かしでもしたのか、目が少しばかり充血していた。
でも、私が驚いたのはそこじゃない。