視線 ~人生が変わる瞬間~
サラサラな髪に、高い鼻。
目はくっきり二重で、肌もきれい。
そんな美形男子が、たった今教室に入ってきた事に驚いたのだ。
「おっ、目の保養がようやく来た」
「一週間ぶりだと雰囲気違うね~」
「ストレス解消にいじりに行く?」
教室中の女子が盛り上がって、徐々に騒ぎ始めた。
私は、その美形男子に目が釘付けになった。
「ね、ねぇ優希…。あれが噂の蛍?」
私が優希の袖を軽く引っ張ると、優希は小さくうなずいた。
「かっこいいよねぇ」
優希も目の焦点が合っていないみたいに、美形男子に目が釘付けだった。