視線 ~人生が変わる瞬間~
そっか!
私とこの人は、今日が初対面なんだね。
じゃあ自己紹介しないと。
「先週転校してきた織坂 愛羅です。ごめん、名前も名乗らずに」
こんな幸せな自己紹介、初めてだ。
こんな美形男子に、名前を覚えてもらうなんて。
でも、少し気まずくなった私は、優希と舞子を引っ張って廊下に移動した。
「蛍と話せたね!良かったじゃん!」
優希が自分の事のようにはしゃぎながら、肩を叩いてきた。
「う、うん。でも、何であんなイケメンがいるの?ビックリした」
「この学校で蛍の事知らない人はいないよ。かなりの有名人だから」