視線 ~人生が変わる瞬間~

 優希が胸の前で腕を組み、一人であいづちを打っている。


 私の頭の中は、もう美形男子の事でいっぱいになっていた。


 頭上で、勝手に妄想が膨らんでいく。

✻°.✻°.✻°.✻°.✻°.✻°.✻°.✻°.✻°.✻°.

「あ~、教科書忘れたわ」
 困っている蛍君に、教科書を差し出す私。
「使っていいよ。一緒に見よう」
「あ、ありがと。隣の席が優しい奴で助かったよ」
 蛍君は、そう言って私に笑いかけてくる。

✻°.✻°.✻°.✻°.✻°.✻°.✻°.✻°.✻°.✻°.

 あぁ、こんな夢のようなベストライフが私にも来てくれないかな。


 妄想するだけじゃ駄目だ。


 行動に移さないと…!


 私は、胸の前でガッツポーズをした。
< 23 / 24 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop