視線 ~人生が変わる瞬間~
優希が胸の前で腕を組み、一人であいづちを打っている。
私の頭の中は、もう美形男子の事でいっぱいになっていた。
頭上で、勝手に妄想が膨らんでいく。
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「あ~、教科書忘れたわ」
困っている蛍君に、教科書を差し出す私。
「使っていいよ。一緒に見よう」
「あ、ありがと。隣の席が優しい奴で助かったよ」
蛍君は、そう言って私に笑いかけてくる。
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あぁ、こんな夢のようなベストライフが私にも来てくれないかな。
妄想するだけじゃ駄目だ。
行動に移さないと…!
私は、胸の前でガッツポーズをした。