視線 ~人生が変わる瞬間~
 愛想笑いは得意な方だ。


 昔からいろんな人に話を合わせてきた。


 けど、思ってない事を口に出せばさすがに口角が引きつる。


 でも優希はそんなのお構いなしという感じで、縦に首を振った。


「値段は忘れたけど安かったよ!だから、3つ買ったの!」


 優希はそう言って、色違いのストラップをポケットから取り出した。


 そして、目の前にある私の机の上に一つずつ並べていく。


「青いのは、私のストラップね!」


 机の上に置かれたストラップは立体的で、机の端の方まで転がっていった。


 優希は今にも落ちてしまいそうなストラップを無視して、緑色のストラップを机の上に置いた。

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