視線 ~人生が変わる瞬間~
「これが、愛羅の!愛羅の好きな色って、緑でしょ?」
「うん。緑が一番好きなんだ。ありがとっ!」
私、緑が好きだなんて言ったっけ?
ホントは可愛いピンク色が好きなんだけど…。
優希ってば、誰と間違えてるんだろう。
私は、机の上に置かれた無防備なストラップをわしづかみにして、急いで鞄に突っ込んだ。
それと同時に後ろから「おはよう」と言う低い声が聞こえてきた。
「あ、おはよー」
そこにいたのは、私のもう一人の友達の柊木 舞子。